映画批評
2作
ご存じ「コリス&トルミット」のシリーズで名を馳せた粘土コマ撮りの超絶コツコツ仕事人集団、英アードマン・アニメーションズの89~96年作品集。ニック・パークの90年アカデミー受賞作「快適な生活」(話をする動物たちの口の動きはもちろん、唾を飲み込んだり言葉に詰まったり芸の細かさが感動モノ)ほか9編が収められているが、それぞれに完成度が高いだけでなく、作風もヴァラエティに富んでいて、ホント何度観ても飽きない。特に、表現主義とポップの絶妙なミックス「忘れたハンドバッグ」やシュールかつ脱力の展開で四の五の言わさず畳みかけてくる「チビのレックス」など出色の出来。いや、そんな中身でこの値段、これはお買い得です。
ドラマ作品の見本例
のっけから私事で恐縮だが、このLDボックスを観て、ぼくが初めてTVで観た「ミステリー・ゾーン」のエピソードを発見した。それは「廃墟」という題名の放送分。読書好きの男が大金庫のなかに隠れて読書をしていると、外では核戦争が起こっていたというもの。ショートストーリーにおける起承転結の巧さに幼い頃の僕は魅了されたのだ。その魅力は今、観直しても決して色槌せていない。その他、電気と電話が不通になった町で、住民が「エイリアン」の仕業では?と集団パニックに陥るエピソードも秀逸。これはサスペンス調の話だが、他にはファンタジーやヒューマン、ユーモア、スリラー、SFなどの要素もあって、どれも高水準。正にドラマ作りの見本である。